お見舞い団
滞在先のホテルで起床して、Official髭男dism『Pretender』の「君の運命のヒトは僕じゃない」を歌っていたら、妻から「そうなの?」と言われた回。おはようございます。
さっぽろ創世スクエアのMORIHICO.に行ってモーニングをキメる。近年は、妻といっしょに札幌を訪れるたびにMORIHICO.をキメているな。
自分には「親孝行」な感覚がないかもな〜と、ふと思ったり。「家族サービス」という発想がない、と近い話かもしれない。考えてみると、自分は内発的動機を大切にするあまり、相対的に外発的動機を軽視しがちなのかも。両親に会いたいから会いに行っている、家族といっしょに過ごしたいからいっしょに過ごしている、とオーガニックな欲求に任せて生きているから「親孝行のために両親に会いにいく」という意思決定の回路がすごく弱そう。
でも、ぼくの内発的動機だよりのスタイルでたとえば3年に1回しか会いに行かないとして、それとは別に「親は大事にするもんだから」「盆暮れ正月は顔を見せるもんでしょ」とべき論で駆動される人がいたとして、ぼくよりも頻繁に会いに行くなら、そっちの方が望ましい言動に近付くってことは大いにありそう。
ぼくがイヤなのは「せっかく会いにきたのに」とか「サービスしてやっているのに」と恩着せがましく押し付けがましくなるパターンだな。そうならないのであれば、なにによって駆動されているかなんて別になんでもいいのかも。
父親のお見舞いに病院へ行く。いつもは母親と弟1が行ってくれていて、今回は妹とぼくが本州から帰ってきたので、そこにおばあちゃんも巻き込んで会いに行くことにした。にぎやかなお見舞い団は病院の中でもちょっと浮いている。
まずは妹とおばあちゃんのペアが病室に行く。おばあちゃんは「早く起きなさい」と父親のことを叱ってくれたみたい。ぼくは「起きたい気持ちになるまで、ゆっくり休んでね〜」と思っているので、そんな言葉は自分からは出てこないから、おもしろく感じる。意識不明者への声かけに唯一の正解があるわけもなくて、いろんな人が、それぞれの考えで声をかけるのがいいと思う。自分にはできないような声かけをおばあちゃんがやってくれてうれしかった。
続いて妻とぼくが行く。大阪に引っ越したよ、松本は楽しかったね、元気だったら万博に遊びにきたかったんじゃないの、今から目を覚ましても万博には間に合わないねえ、目が覚めて動けるようになったら、そのときにぼくらが住んでいる地域に遊びにおいでよ、などなど。思い付く限りの声かけをする。左腕・左手がよく動くようになっていて、左手を握りにいくとね、握り返してくれるのよね。赤ちゃんみたい。ホモ・サピエンスには手を握り返そうとする習性があるんかな。おもしろいね。
そのあとは、今は弟1と母親が暮らしている、ぼくにとってのいわゆる「実家」に行く。ぼくが大学生・大学院生のときに住んでいた家ね。妹は友だちの家に泊まりにいくというので弟1が車で送っていった。ぼくの運転するレンタカーで、妻と母親とおばあちゃんを運ぶ。
またしばらく談笑。今は91歳になったおばあちゃんは88歳まで働いていたような人で、とっても元気。だいぶ耳が遠くなってきていることもあってところどころ話が噛み合わなかったりするのだけれど、はっきりしゃべるし、ぼくをずっと幼児扱いするくらいに気持ちも強いし、頼もしい感じ。話がズレているときに妹・弟1・ぼくらは「うんうん、そっかそっか」という感じで聴くのだけれど、母親は「ちがう、今はその話はしていない」とばっさり切る。それぞれである。
母親が「年相応の格好みたいなものがわからん」と言っていて、いいじゃん、と思った。ステレオタイプに押し込めようとしてくる社会の雰囲気に対してぼくは「うるせーー」と思っていて、母親ゆずりの部分があるのかもしれないね。本人が着たい服を着てごきげんに過ごすのがいちばんいいと思っているよ。
妹を送り届けた弟1も実家に戻ってきてみんなで合流できて、夜ごはんを食べにいく。おばあちゃんのリクエストを聞きつつ実家から行きやすい場所ってことで風月をチョイスした。この風月ってのは北海道に展開しているお好み焼き・焼きそばのチェーンなんだねえ。
北海道のお好み焼・焼そば 風月 https://fugetsu-sapporo.co.jp/
弟1に「一人前、食べる?」と質問されたおばあちゃんは「そんなに食べるわけない、食べられないよ」と返していたが、いちばん長くメニューを見ていたのはおばあちゃんだった。自分が食べる分じゃなくて孫たちが食べる分を考えてくれているっぽい。「いっぱい頼んで、みんなで分けて食べなさい」とそういうテンション。
いったんホテルの客室に戻ったあと、軽く街中をお散歩した。妻もだいぶ札幌慣れしていて元気に歩く。
きのうの日記に妻がユニットバスの床をビチャビチャにした話を書いたが、今夜は、なんとぼくがビチャビチャにした。カーテンのハンドリングは間違えていないはずで、ふつうに入浴しただけのつもりなのに床がビチャビチャになっていてびっくりした。妻に「まみがよろこぶかもしれないお知らせがあります」と前置いてから伝えたら「え?本当に?わたしだけじゃなかった〜〜〜」とよろこんでいた。妻は、ぼくがミスをするとうれしそうだ。
